歴史的にみて、ポスターの全盛期は、1880年から1970年代と言われています。

19世紀の終わりころには、リトグラフの版画技法の発明で、視覚的に美しい絵入りのポスターが作られるようになり、ポスターはパリを中心として西洋の街並みを飾ってくれたそうです。
1866年にジュール・シェレ(1836年6月1日パリ – 1932年9月23日)は、最初のリトグラフ工房をパリに開き、大きな着色のリトグラフのポスターを初めて制作しています。
ポスターを単なる広告の張り紙から芸術の域に押し上げてくれた画家は、やはりジュール・シェレではないでしょうか?
シェレは、当時の理想的な女性象を色鮮やかに描き、民衆の心をひきつけます。
そのような民衆の心に残るポスターは、広告の手段として、うってつけだったのではないでしょうか?
同時代に、ロートレック、ミュシャ、スタンラン、ボナールなどが、数々のリトグラフ・ポスターを制作しています。
下記の画像は、シェレのポスターを見るロートレック(背の低い紳士)です。

1880年以降、「芸術の都」を自他ともに認めていたパリに、世界中から芸術家が集まり、そして多くの歓楽街が現れ、そこで展開される大衆文化がにぎわいを見せていたそうです。
パリの芸術家達は、活気あるパリの様子を題材にするようになります。
そう言った前衛的な芸術家達は、カフェ、バー、キャバレーなどに集まり芸術論をかわしていたり、自分達の作品の発表の場にもなっていたようです。
その中核でもあったキャバレー「シャノアール」では、ロートレック、音楽家のエリック・サティ、ドビッシーなどが集まり交流していました。
その「シャノアール」と言えば、スタンランの描いた猫のポスターが有名です。
「一度は見たことがある。」と言う方も多いかもしれません。
100以上年前の作品とは思えないほど、とても斬新的で現代でも通用できる強い力があるように感じられます。

また私のお勧めは、やはり「シャノアール」で飾られていたアンリ・リヴィエールの影絵芝居の宣伝用ポスターです。
日本文化に影響を受けていたリヴィエールだけあって、浮世絵のような平面的な構図と色づかいで、とても素敵です。

また、パリの街角では、ロートレックなどが、人々の憩いの場であったカフェやキャバレーの様子をポスターの中でいきいきと描きました。
1900年頃、パリで活動するイタリア人のカッピエロは、町を歩く人々の目に衝撃を与えることを重点にしたポスターを制作します。
彼は、黒い背景から人物が飛び出てくるようなポスターを初めて制作したポスター・アティストであり、絵画的なポスターを制作したシェレと共に、初期の現代広告ポスターの父とも呼ばれています。
そして彼のポスターは、シェレのポスターのような美を追求すると言うよりは、背景の色と個性的な人物像のコントラストによって、商品のイメージを人々に衝撃的に与えて伝えていることから、現代のポスターへの道を切り開いたと言われています。

絵画的ポスターを制作したシェレやスタンランと比べ、グラフィック・デザインの領域に足を踏み入れた画家と言えば、やはりミュシャではないでしょうか?
これらの作品は、ほとんどの場合で女性を中央に据え、反復した一連の幾何学的形模様で取り囲んだ繊細なデザインで世界的な評判を獲得しました。
これらのポスターの特徴は、ポスターを見た人々に花や植物のイメージを連想させるような技法を用い、淡い中間色と艶やかな曲線を用い、神秘的でもあります。

版画ねっとでは、数々のポスターやミュシャを題材にしたクリアファイルなどを取り扱っています。
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